2017年04月12日

『ソーゾーシー』

 『ソーゾーシー』が無事に終わった。猛烈にお足下の悪いなか沢山のお客様に集まって頂きありがたい気持ちしかない。

 前回の投稿でも書いたように、これだけ凄腕の兄さん方が集まった会だから間違いなく楽しい会になるだろうと思っていたけど、思っていたよりさらにずっと楽しい会になった。あたたかいお客様や、素敵な会場、バッチリのスタッフワーク、(演者のパフォーマンスも)、色々なものがうまく絡み合った賜物だろう。こういう夜があるから、こんな浮世稼業をやめられないでいる。

 鯉八兄さんにいたっては、会の途中でも打ち上げでも「いやぁイイ会だなぁ」「それにしてもイイ会だったなぁ」「イイ会だなぁ」「これはイイ会だったなぁ」とずっとおっしゃっていた。続いて、「吉笑さんの開口一番が完璧だった」「いやぁ昇々くん、見事だったねぇ」「太福さんがいてくれて助かった」と紹興酒を飲みながら僕たちのことを褒めちぎってくださって、よっぽどこんぺい糖を上げようかと思った。

 昇々兄さんは「僕が最初に出ますよ」とおっしゃったけれど、立ち上げた張本人の昇々兄さんにはやっぱりトリをとってもらうべきだと言った。いきなり浪曲から始まるよりは落語からの方がバランスが良いだろうと思い、そうなると鯉八兄さんか僕が開口一番ということになる。だったら持ち味的に僕がトップで出るべきだろうと、結果的に吉笑、太福、鯉八、昇々という順番に決まった。
 オープニングがあるとは言え開口一番としては会場の空気をまとめるという重大な任務を背負っていて、何を喋ろうかと思っている時に目に入ったのが4人で作ったLINEグループで繰り返される太福兄さんの「ガッテンです!」という書き込み。話がまとまったら決まって最後に太福兄さんさんが「ガッテンです!」と書き、直後に鯉八兄さんも「ガッテン!」と返す(いつもは基本的に返信遅いのになぜかガッテン!だけは必ず1分以内に返ってくる)。その都度僕は、みんなの流れに乗って「ガッテンです!」と返したいと思うけど、どうしても立川流の大先輩である志の輔師匠の存在がちらついて恥ずかしくなってしまい、結果、1回「ガッテンです!」と返したら向こう2回は「了解です!」にしてみるという折衷案を採用している。
 そんな些細なやり取りから、会の名前を決めようとみんなで集まった喫茶店。できるだけSWAの印象には近づかない名前にしよう(全員)→擬音語だけってよくない?『スパッ!』とか『シュパッ!』とか(昇々)→いいですね!(鯉八)→『スパッ!』を当て字にしてみようか(昇々)→どんな字ですかね(太福)→みんなが自分の素を話すから『素話っ!』ってどう?(昇々)→それ完全にスワって読めますよね(吉笑)→あっ。(昇々)→だったら『お笑い四天王』ってどうですか?(鯉八)→それは絶対ない(昇々・太福・吉笑)
 あの日のハイライトを思い出した。

 お後の太福兄さんが「ガッテンです!」の件を正面から消化してくださったことで、流れがお笑い四天王のひとりである鯉八兄さん、そして昇々兄さんにまで引き継がれていった。


 レッドシアターは人気の劇場なので、次回は来年の4月10日しか押さえられなかった。ともあれ、別会場でたぶん年内にあと1回か2回は開催しようという話で動き始めている。今回は1回目ということだったり、会の決定が直前になってしまったからだったりで叶わなかったけど、ソーゾーシーと銘打つ以上は、この会に向けた創造、つまりはネタ下ろしやそれ以外の趣向なんかを用意するべきだということは全員意見が一致しているから、次回以降はそういう流れになっていくのだと思う。(何しろ今回の太福兄さんは、翌日にネタ下ろしありの独演会が先に決まっていたという凄まじい過密スケジュールで引き受けてくださったのだった)

 そうそう、今回のBGM選びは僕が担当させて頂いた。
 全てhow to count one to tenという友達のバンドの曲で、出囃子代わりに使った音源は彼らの曲に砂切(しゃぎり。出囃子のイントロ的にちょっとだけ叩く太鼓のやつ)を入れて、あとは太鼓の音を所々足したもの。たまに自分の会で使っている音源だけど、昨日の会で流すために作ったんだなぁと思えるほど環境にピッタリ合っていた。
 オシャレなポストロックに混じって会の直前と会の終わりにかけたのは『ボクラのダンス』という、高校の友達が20歳くらいの時に趣味で作った曲。サビで「踊る理由なにもなく、でも僕らはいつも踊り続けている」と繰り返されるこの曲を、東京に出てきたばかりの僕は夜中にいつも聴いていた。
 今回初めて昇々兄さんとガッツリ会をご一緒させて頂く中で、ことあるごとに「パラダイムシフトを起こしたい」「自分の魂全てを高座でさらけ出したい」などと、受け取る人によってはイタいと思われてしまうような言葉を真っすぐな目でおっしゃる兄さんを見て、否応なくあの頃の自分を思い出さされた。
 時間かけて考えて、練って、稽古して。別に落語をやる理由なんかないけど、これからもやっていくんだろう。というか、やっていきたいと思える自分でいたい。

 ソーゾーシー。たぶん長い間続いていく会なんだと思います。
 お時間ある時にだけでもお付き合い頂ければ嬉しいです。
 
posted by kisshou at 10:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする